『教科書から消えた日本史』は、最近の日本史の研究を紹介した本です。
学生時代に学んだ日本史、事実だと思っていた歴史が実が違うことを知って驚きました。
たとえば、元寇で吹いたといわれる神風。
実際には文永の役ではモンゴル帝国に上陸を許し、戦いに敗れている。
この戦いの目的は威力偵察だったらしく、モンゴル帝国は早々に撤退してくれた。
弘安の役では、日本はあらかじめしっかりと防衛体制を整えていた。
2ヶ月に及ぶ開戦の末、台風の季節になって、モンゴル帝国は撤退した。
たまたま暴風雨がきて、モンゴル帝国の侵略を食い止めたのではない。
万全の準備と懸命な戦いによって、台風の季節まで戦いを引き延ばしたのだ。
長篠の戦いといえば、信長の鉄砲三段撃ちで最強の武田騎馬隊を破った、というイメージがあった。
実際には武田騎馬隊も鉄砲三段撃ちも、どちらも創作のようだ。
なんだか残念な気がする。
そのほかにも、秀吉の刀狩りによって武器のない治安のいい日本になった、というのは幻想。
実際には刀狩りは徹底されず、多くの農民が刀や鉄砲を所持していた。
そのほかにも、驚きの事実がたくさん。
文章も読みやすいので、楽しみながら読めました。
日本史に詳しくない人にもお勧めできます。