『C++言語のカラクリ 誕生の秘密と舞台裏』は、C++昔話と、C++ユーザーによる座談会の2部構成からなっています。
C++昔話が6割、座談会が4割ぐらいです。
本書は、C++を好きな人が趣味で読むのに適していると思います。
正直なところ、この本を読んでC++プログラミングが上達するということはないと思います。
座談会での、επιστημη氏の発言で面白いものがありました。
プラウガー(P.J Plauger)が言っていた言葉に、C++はオブジェクト指向言語ではなくオブジェクト許容言語だというのがあります。
「オブジェクト許容言語」はうまい表現だと思いました。
ビアネ(Bjarne Stroustrup)自身もオブジェクト指向だと、この二十数年のなかで一度も言っていない。
あくまでも機能の一つでしかないんだと。
C++はマルチパラダイムを意識して作られていますからね。
そのセンスはすばらしいと思います。