豊富なデータに裏付けられた説得力のある主張は、とても刺激的だった。
常識と思っていたものが実は幻想であり、事実は全く異なるものであった。
例えば、県別に収入を比較するとき、通勤時間も考慮すると意外な事実が浮かび落ちる。
一人あたりの県民所得が1位の東京都は、通勤時間ロス引き後勤労世帯成員1人当たり実収入では17位にまで下がる。
大阪府は一人あたりの県民所得は6位だが、通勤時間ロス引き後勤労世帯成員1人当たり実収入では41位だ。
通勤時間ロス引き後勤労世帯成員1人当たり実収入を見ると、41位大阪府、42位埼玉県、44位千葉県、45位兵庫県と、都市圏が最下位争いをしている。
これは大都市圏の社会基盤整備が冷遇され続けてきたためである。
「所得の高い大都市圏から所得の低い地方に富を再分配するのは当然だ」という常識的な主張は、実は大間違いなのである。
多くの人がこの本を読んで、日本の本当の姿を知って欲しいと思う。