派遣のリアル-300万人の悲鳴が聞こえる

派遣のリアル-300万人の悲鳴が聞こえる

本書の「はじめに」でテレビドラマ「派遣の品格」の紹介がありました。
主人公は、数多くの資格を持つ「スーパー派遣社員」で時給3000円の高級取りです。

時給3000円だと、一日8時間働いて2万4千円、一月の労働日が20日とすると月収48万円。
でも、そこから、健康保険や年金の支払い、雇用保険もないし退職金もないのでその分を積み立て、ボーナスもない、などを考えると、実質は月収20~30万円ぐらいの正社員と大差はなさそう。

テレビドラマなので、とんでもない高給取りの設定をしたのだと思いますが、それでもこの程度。
「はじめに」を読んだだけで、派遣社員の悲惨さをかいま見た気がします。

外国の状況が紹介されているのが参考になりました。

日本が参考にした米国が、安い労働力を使ったため品質が落ち、国際競争力が落ちる「ロー・ロード」(安易ではあるが日建設的な道)という状況です。

一方、英国では派遣会社が人材育成に力を入れ、派遣社員のスキルアップに伴って派遣料金が跳ね上がる傾向にあるそうです。
そして、優秀な派遣社員は正社員の給与を上回るため、最近では大学を卒業した若者は、最初から派遣社員になるケースが増えているとのこと。
企業側も、正社員を派遣社員に切り替えたら生産性が向上した。

米国型よりも英国型の方が、企業も社員も幸せになれそうです。

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