DelphiのRTTI(実行時型情報)を復習する

DelphiのRTTI(実行時型情報)を復習する。

■コンポーネントプロパティの型情報を取得する

  • TypInfo.TPropInfo

    Delphiでは実行時にコンポーネントの型情報を取得することができる。
    コンポーネントプロパティの型情報のレコードが「TypInfo.TPropInfo」である。

  • TypInfo.PPropInfo

    TPropInfo レコードへのポインタ。
    type PPropInfo = ^TPropInfo;

  • TypInfo.GetPropInfo

    コンポーネントからプロパティの情報を取得する。
    指定したプロパティが存在しない場合には、nil ポインタが返されます。

    例:Edit1のColorプロパティを取得する

    var
      PropInfo: PPropInfo;
    begin
      PropInfo := GetPropInfo(Edit1, 'Color');
    

■コンポーネントプロパティに値を設定する

  • TypInfo.SetOrdProp

    コンポーネントプロパティの値を設定する。

    例:Edit1のColorプロパティの値をclRedに設定する。

    var
      PropInfo: PPropInfo;
    begin
      PropInfo := GetPropInfo(Edit1, 'Color');
      SetOrdProp(Edit1, PropInfo, clRed);
    

サンプルプログラム:フォーム上のコンポーネントのColorプロパティの値をclRedに設定する

var
  I: Integer;
  PropInfo: PPropInfo;
begin
  for I := 0 to ComponentCount - 1 do
  begin
    PropInfo := GetPropInfo(Components[I].ClassInfo, 'Color');
    if PropInfo<> nil then
    begin
      SetOrdProp(Components[I], PropInfo, clRed);
    end;
  end;
end;



Colorプロパティを持つコンポーネントのColorプロパティの値がclRedになった。

■コンポーネントがもつプロパティの情報を取得する

サンプルプログラム:Edit1のプロパティ名をすべてListBoxに出力する

var
  I: Integer;
  Cnt: Integer;
  PropList : PPropList;
begin
  Cnt := GetPropList(Edit1, PropList);
  for I := 0 to Cnt - 1 do
  begin
    ListBox1.Items.Add(string(PropList[I].Name));
  end;
end;

サンプルプログラム:フォーム上のコンポーネントのCaptionの値を大文字にする

var
  I: Integer;
  PropInfo: PPropInfo;
  Caption: String;
begin
  for I := 0 to ComponentCount - 1 do
  begin
    PropInfo := GetPropInfo(Components[I].ClassInfo, 'Caption');
    if PropInfo<> nil then
    begin
      //コンポーネントのCaptionの値を取得する
      Caption := GetStrProp(Components[I], 'Caption');
      //Captionの値を大文字にして設定する
      SetStrProp(Components[I], PropInfo, UpperCase(Caption));
    end;
  end;
end;

フォーム上のコンポーネントのCaptionの値を大文字にする

■オブジェクト型のコンポーネントプロパティ

  • TypInfo.GetObjectProp

    オブジェクト型であるコンポーネントプロパティの値を返す

  • TypInfo.SetObjectProp

    オブジェクト型であるコンポーネントプロパティの値を設定する

■サンプルプログラム

TypInfo.SetObjectPropを使った興味深いプログラムが「実行時型情報を使ったプロパティへのアクセス – Delphi の話 (フェンリル | デベロッパーズブログ)」で紹介されています。
実行時に型情報を使ってリソースのデータをプロパティに設定しています。

コメント

  1. Pingback: DelphiのRTTI(実行時型情報)を復習する。その2(RTTIユニット) « 山本隆の開発日誌

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