* [ガズーバ!―奈落と絶頂のシリコンバレー創業記][1]
本書は、シリコンバレーでの起業の奮闘記だ。読み物としてもおもしろいし、シリコンバレーで起業するための情報源としても有用だろう。
起業を考えている人やベンチャー企業への就職を考えている人は、この本からたくさんの情報とエネルギーをもらえると思います。
シリコンバレーを知りたい人にも参考になると思います。
以下、個人的なメモ。
* プロトタイプ
二か月ですごいインパクトのプロトタイプを作ります!
『[セクシープロジェクトで差をつけろ!][2]』でも、すばやく試作品を作ることを薦めている(「試作に狂え」)。
まず作ってみること、やってみること、それが重要だと思う。
* インキュベーター
インキュベーターとは、「スタートアップが資金面からなかなか手に入れられない優秀なオフィスマネージャ、データベース管理者、システム管理者などを四~五社でシェアさせようという仕組み」らしい。
単に安い家賃で部屋を貸し出すことじゃないんですね。
* シリコンバレーの文化
「タームシートを受け取ったので、弁護士が必要ですがお金がありません。」
「お客様、ご心配なさらないでください。そんなのは出世払いでけっこうです。」
シリコンバレーは、単にベンチャー企業が集まっているだけではない。
関連するビジネスもまた、ベンチャービジネスを理解しているようだ。
* シリコンバレーのスピード
シリコンバレーにおける会社の成長段階は、相場的には、
1. 六~八か月ぐらいで十人ぐらいの体制で商品が実用できであることを証明する。
2. つぎの六か月ぐらいでビジネスが大きくなることを証明する。
3. つぎの八か月ぐらいで百人規模の会社にする。
わずか二年で十人規模の会社が百人規模の会社に成長する。
* プロパテンション指数
PI = A × N
A: メッセージを受け取った人が興奮して友人にすすめる割合
N: 興奮した人がすすめる友人の数
PI指数を一以上にできるかが成功の分かれ目なのだ。
成功するために必要な条件として、
1. ユーザが熱狂するような商品、サービスを提供すること
2. 友人にすすめやすいこと
最初の項目は当然のことだが、2番目の「友人にすすめやすいこと」も検討する必要がある。商品のホームページのURLがメールで送れないサイト(フレームを使っていたり、JavaScript等でページ遷移を管理しているサイト)がダメなのは言うまでもない。できれば、友人にすすめやすい仕掛けを用意したい。
* 「This is it!(これだ!)」と思わせる会社
一流のプロに対して、「そんな物は捨てて、僕らの会社に入ってくれ!」といって「イエス」と言わせる会社にならなければならない。会社にビジネスモデルやポテンシャルだけでなく、カルチャーやにおいも重要だ。
> カルチャー作りの予算はVC(ベンチャーキャピタル)も大いに使うことをすすめている。オフィスの中がおもしろい雰囲気でないと彼らは逆に心配するのだ。
それぐらいカルチャーが重要視されているのだ。
[1]: http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?path=ASIN/4844313967&link_code=as2&camp=247&tag=gesource-22&creative=1211
[2]: http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?path=ASIN/4484003120&link_code=as2&camp=247&tag=gesource-22&creative=1211