掲示板などの質問を見ていると、初期化処理を行うイベントに不適切なイベントを使用して、はまっているのを見かけます。

そこで、アプリケーションを起動したときのイベントを整理してみます。

メンバ関数が呼ばれる順番

アプリケーションが起動したときに、メインフォームのメンバ関数が呼ばれる順番は次のようになります。
(C++Builder 2010で確認しました。)

コンストラクタ -> OnCreate -> OnShow -> OnActivate -> OnResize -> OnPaint -> …

コンストラクタ

一番最初に呼ばれるのはコンストラクタです。
フォーム上のコンポーネントにもアクセスできます。
基本的な初期化処理はここで行います。

• Forms.TForm のコンストラクタ – RAD Studio VCL Documentation (Japanese)

OnCreate

C++Builderでは、OnCreateイベントの使用は推奨されていません。
代わりにコンストラクタを使用します。

• Forms.TCustomForm.OnCreate – RAD Studio VCL Documentation (Japanese)
• Forms.TCustomForm.OldCreateOrder – RAD Studio VCL Documentation (Japanese)

OnShow

フォームが表示されるときに呼ばれます。
アプリケーション起動時の他に、フォームのVisibleプロパティがtrueになったときやShowメソッドが呼ばれます。

起動時に一度だけ行う処理を記述するには、不適です。

• Forms.TCustomForm.OnShow – RAD Studio VCL Documentation (Japanese)

OnActivate

OnActiveイベントは、フォームがフォーカスを受け取ったときに呼ばれます。

• Forms.TCustomForm.OnActivate – RAD Studio VCL Documentation (Japanese)

OnPaint

OnPaintイベントは、フォームが再描画されたときに呼ばれます。

• Forms.TCustomForm.OnPaint – RAD Studio VCL Documentation (Japanese)

OnResize

OnResizeは、コントロールのサイズが変更された直後に発生します。
起動後もフォームのサイズが変更されるたびに呼ばれます。

• Controls.TControl.OnResize – RAD Studio VCL Documentation (Japanese)

TApplicationEvents::OnIdle

TApplicationEvents::OnIdleイベントは、アプリケーションがアイドル状態になったときに呼ばれます。

アプリケーションの起動時では、アプリケーションの起動時の処理を一通り終えて、フォームが表示された後に呼ばれます。

コンストラクタ -> OnCreate -> OnShow -> OnActivate -> OnResize -> TApplicationEvents::OnIdle

このイベントを上手に活用することで、フォームの初期化処理が楽になります。

• AppEvnts.TCustomApplicationEvents.OnIdle – RAD Studio VCL Documentation (Japanese)

まとめ

起動時の初期化処理を行う場所はは、メインフォームのコンストラクタとTApplicationEvents::OnIdleイベントを使い分けるといいでしょう。